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タンペレ

 金曜日。相変わらず天気が悪い。雨は降っていなかったが肌寒い。
 今日は電車に乗ってタンペレへ出かけよう。スパイ博物館とアイスホッケーのミュージアム
だけがお目当てだったりするが、行けば何かあるかもしれない。

 中央駅のチケット売り場のオバちゃんに、時刻表を指さして「この電車でタンペレまで。窓側がいいんですけど」と言ってチケットを購入。出発までまだ20分くらいある。カフェでのんびりお茶するほどの時間でもないので、一度ホームに出て一服しよう。

 ホームには果物や野菜の屋台が出ていた。少し離れたところからでも果物のいい匂いがするのでリンゴを1個買う。車内で飲みたいので駅構内のロバーツ(日本で言うとスタバとかそーゆーかんじ)でカフェラテを買う。

 平日の午前中だからか、座席は空いている。発車してしばらくすると少し晴れ間が出てきた。
 景色を楽しむつもりだったが、途中で爆睡。小さな子供のはしゃぎ声でふと目覚め、通路を
見ると、まだヨチヨチ歩きのかわいい女の子がニコニコ顔で私を眺めている。ふっふっふ、おじょ~ちゃん、アジア人は初めてか~い?

 なんだかんだとタンペレに到着。帰りの切符を買っておこうかと思ったけど、大行列になっているので時間がもったいない。またいつ曇りだして雨が降るかもわからない。帰りでいいや。

 タンペレは初めて足を踏み入れる土地だ。なのに地図やらガイドを持ってくるのを忘れていた。駅にインフォがないかどうか探したけど、それっぽい案内板がない。キオスクのおばさんに「ツーリスト・インフォメーションはどこですか?」と聞いたが「ここにはないのよ。何が知りたいの?」と言うので、「タンペレの地図が欲しいんですけど」と答えると「観光用の地図ならここでも配ってるわよ」とペリっと1枚出してくれた。

 地図を眺めてスパイ博物館を探す。げ、遠いなぁ・・・みほこさんが言ってたけど、ホントに
他のミュージアム集中エリアと離れてる。タクシーに乗って行こう。
 タクシーの運転手さんに「スパイミュージアムお願いします」と言うと、「え?何?それ・・・」
と驚かれた。・・・え゛・・・知らないの?(--;
 地図を見せたら「あ~、ここね。」と出発。ミュージアムの途中で道路が工事中で通行止め。運転手さんが「あの向かいにあるのがそうだよ。通行止めだからここまでしか入れないけど」と言った。すぐ目の前なのでそこで降りた。

 指さされた建物に向かったが、それらしきものが何もない。看板もないし、一体何の建物
なのかもわからないし、そもそもミュージアムっていう感じの建物ではない。なんじゃ、こりゃ?
 先に行ったKieloさんが「入り口がわかりずらい所だった」と言ってたし、きっと「な~んてね!」ってな場所に入り口があるんだろう。と勝手に推察し、建物の周りをグルグル回って探った。
 わかんない・・・しょーがないので、隣の建物の車関係の会社の人に聞いた。「あのぉ、スパイミュージアムの入り口はどこなんでしょうか・・・」すると、その人は私の地図を指さしながら
「駅の方に一度戻らないと。もう移動して今はここにはないんだよ」ガ~ァァン!!
 キオスクの地図、古いのか!?タクシーで約9ユーロも払った遠い道のりを、てくてく歩くハメになった。今回はお散歩で歩き回る時間が少なかったので、神様がバチを与えたのか?何もこんなに歩かせなくてもいいじゃ~ん・・・(;;)

 でも、てくてく歩いていると色々なものが見れてよかったけど。どど~んとどでかいNOKIA
の社屋、タンポポの群生、ショッピングモールらしきもの・・・途中、インフォがあったので(ツーリストインフォを、こんな駅から離れたところに作るな!)立ち寄って確かめてみることにした。
 ご親切にも、インフォのおねーさんが、地図上に印をつけた上、フィンランド語での名前と住所まで書いてくれた。さらに、「簡単なものだけど・・・」と日本語のガイドブック(他のに比べて
かなり簡略化されている)を出してくれた。

 こんな感じでてくてく歩いて、ようやくスパイミュージアムの看板を見つけた時には、ぐったり。またこれがビルの中に入ってからも遠い。下に、奥に・・・と進む。ホントにこんな場所にあるんかいな?というような場所に行く。

 受け付けに着くと、スパイとは程遠く離れた明るい雰囲気、しかも小学生の団体が来ていて、大騒ぎ状態。引率の先生とおぼしき男性2人が騒ぐガキどもに注意している。
 受け付けのお兄さんがしきりに「あいにく日本語のはないけど、ぜひ持って見て回って!」と勧めるので、英語の解説書を持って回ることにした。って言っても、そんなの読みながら回ったら、1日あっても足りないぜ。ということで、読んでるフリして回った。

 このガキどもがすべての展示品を占領しているため、落ち着いて見られない!!(--# さらには、秘密の部屋みたいな場所があって、(外からは誰かがいるとかがわかんないようになってるけど、中にいる人からは外の様子が見える)その前を通りかかったその瞬間、クソガキがいきなり「ワッ!!」という感じで飛び出して来たので、思わず「ひぃぃっ!!」(--; と飛び跳ねてしまった。あ~、ビックリした!恥ずかしい・・・こんなガキに脅かされるとは!

 あれだけ歩いてこんなもんかい・・・な気分を一新、アイスホッケーミュージアムを見るぞ~。と、歩き出す。今にも雨が降り出しそうな雰囲気だ。

 ホッケーミュージアムは、歴史ミュージアムなどと一緒の建物にあって、入場料1回分でそれらすべての展示を見ることができる。
 ホッケー目当てだけどそれは2階にあるので、順番に見ていくことにした。
 タンペレの歴史が展示してあるところに防空壕を再現したものがあった。作り物のその防空壕の中に入ると、飛行機が飛び交う音や、爆弾が投下される音と衝撃などが物凄い音で響き渡る。大げさでなく、きっとそんな感じだったんだろうなと思う。こんな中に何時間も何日も閉じこもっていなくちゃいけなかったとしたら、絶対に頭がおかしくなってしまう。こんな場所ではヒッキー生活などできん。
 昔昔の写真と今のタンペレを見比べるのも面白い。駅も随分違う。冬に雪が一杯積もっているのは変わりないようだが。

 2階に上がって、ホッケーミュージアムに入る。初期の道具やウェアを見ると「こんなんで大丈夫なのかなぁ?」と思ってしまう。今のホッケーを見ていると、(特にNHLなんか)激突、突き飛ばし、昔のウェアには何も防具が入ってないようなので、骨粉砕だと思うんだけどなぁ。
 「野球カード」ならぬ「ホッケーカード」が、ウォールポケットようなものに入って、のれんのようにいっぱいぶら下がっていた。
 その横の壁には殿堂入り選手のリストが刻まれている。メモし忘れたけど、どっかのチームの選手で、最近殿堂入りした選手がめちゃくちゃカッコよかった。(しっかりこういうところで
もいい男チェック)

 目当てはホッケーミュージアムだったけど、その後に同じフロアにあった靴のミュージアムが面白かった。
 昔の機械がいっぱい並んでいて、それぞれ機械の横に置いてあるPCでその機械が靴を製造するどの段階の作業をどのようにするのかが見られた。たった1足の靴を作るのにもこんなに複雑な過程を経なくてはいけないのかぁと、感心しきり。革のニオイでいっぱいな展示室だ。

 すべて見終わって、お土産売り場を覗いて見たら、なぜか胸に思い切り『侍』と書かれたTシャツやら、茶せんやら、井村屋ようかん、伊藤園のティーバックのお茶、浴衣が売っていた。一体何のために!?誰か買うのか?井村屋の一口ようかんが3ユーロって・・・

 お土産売り場にはアクセサリーも多種売っていた。その中に、私が持っているブルートパーズの指輪とまったく同じデザインのペリドットの指輪が売っていた。
 初上陸直前に日本でなんとなく気に入って買ったものだが、当時フィン語の先生・ティモがその指輪を見て「なんかそれってフィンランドっぽいよね~。」と言っていたものだ。私が買ったやつはマネっこものだったのか?

 ミュージアムを出て中心部に戻ると、既に4時を回っていた。もうムーミンミュージアムは終わっている。
 他のミュージアム、たとえばレーニン博物館とか、海辺のタワーとか、行こうかどうしようか迷ったが、ポツポツ雨も降ってきたし、めちゃ寒いし、スパイミュージアムまでの気疲れか、なんだかヤル気ナシ。というわけで、マーケットホールでムスタマッカラを見て(辛いと聞いていたので食べなかった)もうヘルシンキに戻ろうということにした。

 駅の入り口のドアを開けると同時に雨が強く降り出した。ギリギリセ~フ!切符売り場は来た時ほどではないけどやはり混んでいた。週末なのでどこかへ行く人もいるんだろう。帰りは急行でなくローカルで帰ることにした。が、これは失敗だった。少し待って急行で帰った方がラクだった。ローカルは時間がかかるし、イスは堅いしで疲れる。

 ヘルシンキに着くと、既に8時近く。スーパーなどで食べ物を買ってホテルで食べて、ぐったり爆睡してしまったのであった。

by gogofinland | 2005-01-26 15:42 | 2004 Finland