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北極圏通過証

 『クマ遭遇回避』で無事サンタ村に戻った私。無事に戻ってしまえば、さっきまで感じていた恐怖感や心細さなんてあっという間に忘れてしまう。

 サンタクロース郵便局に入って、sakuraちゃんのリクエストである切手のお土産を物色した。サンタ村らしい切手があるだろうと思い、また、クリスマスっぽいデザインの切手を見つけたので、即購入。
 ただ、ヘルシンキで郵便局に行ってわかったのだが、同じモノがヘルシンキでも売っていた。要するに、クリスマス切手の今年バージョンだっただけだ。

 それはさておき、サンタ村の敷地内には線が引いてある。北極圏との区切り線だ。そこをまたぐと、まさに北極圏内外をまたぐことになるので、お客さんはみんな必ずここをまたいだ状態で写真を撮る。もち、私も・・・ということで、通りすがりのおじさんに頼むことにした。

 が、しかしこのおじさん、英語がわからんと言う。フィンランド語で言ってみたが、フィンランド語もわからんと言う。おじさんいわく、スウェーデン人だそうだ。やむを得ずカメラを取り出し、ジェスチャーをしてみた。なんとか通じて、お互いにホっとひと段落。私はまたがずに線の上に乗って撮ってもらった。

 もう一度サンタさんと会いたい、写真を撮りたいという気持ちを抑え、記念写真の次に目的としていた『北極圏通過証』を買いにインフォへ行った。
 原紙は2種類、言語もフィンランド語・英語・フランス語・ドイツ語をはじめ、日本語もある。フィンランド語版と日本語版の両方をお願いした。「2枚も買うの?」という顔をされたが、気にしない。だって欲しいんだもん。
 通過証は1枚4ユーロ。メモ用紙にローマ字で名前を書くように言われて、その名前をインフォのおばちゃんが自分の証明サインと共に書いてくれ、ドンとハンコを押してくれるのだ。

 正直言って、サンタ村だけだと、狭くてすぐに見るものがなくなってしまう。別にサンタパークというのがあって、そこはちょっとしたアミューズメントパークなので、そこに行けば1日目一杯遊べるのだろうが、夏季のみ開園なので9月には行けない。

 サンタパークにしても、ムーミン・ワールドにしても、夏休み期間中だけっていうのが貧乏観光客にはつらい。日本から行くには航空運賃が一番高い時期になってしまう。短い夏を堪能し尽くそうという北欧気質のなせる業。

 ヘルシンキやストックホルムなどでも、観光船や観光ツアーなどで夏のみ(6~8月)というのが結構ある。だから私はフィンランドに移住できたら、絶対に最初の夏はアミューズメント尽くしにしてやる!!

 そろそろ市内に戻ろうと、帰りのバスを待つ間にお土産屋さんに寄ってみた。ラップランドの食べ物などの店に立ち寄ると、様々な効能別のハーブティーやら、去年マズくて泣きそうになったクマの缶詰なんかがあった。
 不思議なビスケット状のものを見つけ、手にとってじ~っと見ていると、キレイなおねえさん店員が「それはラップランドで昔からあるパインという木(=よく家具にあるでしょ?)パンなんですよ」と説明してくれた。
 おねえさんの説明によると、寒い寒いラップランドで昔、凶作だった時に、パンを作る材料が収穫できず、飢えをしのぐためにパインの木を削って作ったパンなのだそうだ。

 「昔々のラップランド人は、不作の時には本当に食べていたんですよ」というおねんさんに、
「これはどうやって食べるの?」と聞くと、さわやかな笑顔で「そのままでもいいし、ジャムをつけたり、チーズと一緒でも。なんでもOKですよ。」と言った。

 どうにも箱から出てくる匂いが、家具売り場の匂いなので、こりゃ~何かつけないと厳しい
のかも・・・と思ったが、珍しいので会社へのお土産に買って行くことにした。
 会社で私も1枚食べてみたが、(日本で見かけないので、ついでにリンゴンベリーのジャム
を買って帰り、それをつけたけど)堅くて、匂いはやっぱり家具売り場で、味という味はないものだった。ちなみにリンゴンベリーのジャムは美味しかった。

 ますます空がどんよりしてくる中、ちょっと遅れて到着したバスに乗り、市内へ戻った。ホテルに戻って、私はMカードの件をようやく思い出し、カードに書いてある電話にかけてみた。
・・・が、フリーダイヤルだったのでつながらず・・・エスポーのKちゃんに電話をして、カード会社のHPで普通の電話番号を調べてもらうことにしたのだが、そこにもフリーダイヤルしか出ておらず、ジタバタしてしまったのであった。

 ホテル代が足りるかどうか、手持ちの現金を数えたら、とりあえずユーロだけでも払えるだけあった。ヘルシンキでの宿泊その他を考えると、手持ちの円を全部使えば東京の自宅までは帰れるようだ。贅沢しなければなんとかなりそう。・・・って、それじゃあ飲みに行けないじゃん!!

 とほほな気分で、ぼんやりテレビを眺めていたらひらめいた。日本に電話しよう。ってことで、sakuraちゃんに連絡を取ることにした。でも、時差の関係もあり、翌朝4時くらいに起きてかけないといけない。
 とりあえず、今やれることは何もないので、気晴らしに夕食がてら街に出ることにしたのであった。(あまりピンチに立たされている人間とは感じられない私の行動)

by gogofinland | 2005-01-24 21:32 | 2002 Finland