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レジスタンス

 なんか朝からドタバタしてしまったけど、まだ10時前。これから観光タイム!空は曇ったり、晴れたりしつつ、風が少し強い。だけど温かい風なので、薄手の長袖1枚でも歩いていると暑いくらいだ。ラッキー♪

 まず最初の目的地はアーケシュフス城だ。とりあえず中央駅から港の方に向かって歩いていけば間違いないだろう。と、てくてく歩き始めた。
 港の近くで岩壁が続く。「もしかして、もうお城の近くだったりして。んなわけないよな」と、1人でブツブツ言いながら(周りには誰もいなかったよ!!)壁の住所表示を見たら、まさにこの岩壁の上はお城の敷地だった。
 入り口を探してぐるっと回ると、駐車場には観光バスがたくさん止まっている。「うるさい日本人ツアー客がいないといいな・・・」祈りながらお城へ向かった。
 幸い日本人団体はいなかったけど、色々な国の人が団体でいる。だけど、そんなにやかましくない。これは大きな違いだ。

 まずは公園があって、そこにはたくさんの石碑があった。石碑には人名とその人の生年~没年が書いてある。没年は大体が1940年代前半。ほとんどが1944年あたりだ。その頃って第二次世界大戦中じゃないか?と思った。
 私はフィンランドにばっかり目がいってて、ノルウェーの歴史をロクに知らない。だから第二次大戦中に、ここで何があったかなんて、よくわかってない。
 だけど、これらの石碑にハトの絵が彫られているのを見ると、きっと戦争に関わる石碑であることは間違いない。平和を祈念する何かがある。

 公園とお城の間はお堀みたいになっていて、そこに橋がかかっている。正面、お城側には衛兵が立っている。
 この衛兵が気に入った!!キミちゃん似だ。かわい~♪思わず「あなたの写真撮っていいですか?」と聞いたら、ニッコリして「どうぞ」と言って、衛兵らしいキリっとしたポーズをとってくれた。

 カモだらけの池、馬糞が落ちまくっている道を歩きながら、(馬糞避けるのにいっぱいいっぱいで、ほとんど下を向いてたぜ)ちょっとした坂道を上がっていくと、博物館らしき建物がある。『レジスタンス博物館』だ。
 オスロカードを使うと、こういったところへの入場が無料になる。中に入ると、薄暗くて、これはかなり重い雰囲気の博物館だな・・・と感じる。
 展示物の観覧経路の入り口側を入ったところに、ホンモノの銃が山と積まれてデザインされたオブジェや、黒くて大きな鉄の塊=爆弾(着弾後なので、お尻側は破裂している)が置いてある。
 銃の山を見ていると、「誰かが誰かをこの銃で撃って殺したんだ」とイヤ~な気分。こういう博物館は、戦争のなんたるかを知らない私たち世代にも、色々と考える時間をくれる。・・・というか、否応なしに考えさせられる。
 そして、あれから半世紀以上経ったというのに、まだ世界中のあちこちで銃を持って戦い、国を守るためとか、家族を守るためとか、平和を達成するためとか、色んな言い訳の下に人を殺している人がいる。
 そういう人たちが持ってるのも、全部こうして弾を抜いて固めてしまえ!!と思えた。

 ノルウェーのレジスタンス運動とは、第二次大戦中、ナチスドイツとノルウェー・レジスタンスたちとの闘いだ。
 ナチスに捕らえられた活動家たちが、工夫して残した日記や手紙、どんどん締め付けが厳しくなっていったのか、物凄いものだと、トイレットペーパーに針で一つ一つ穴を開けて文字を書き、灯りで透かさないとわからないものなんかがあった。フィルムの隠し場所も、靴のカカトだったり、パンをくり抜いていたり。
 出口に到着して気付いた。順路の入り口の上には「1940年」、出口の上には「1945年」
と表示されている。
 ロビーには広島にもあるような大きな鐘が置いてある。

 ちょっと神妙な気分になりつつ、こうしてのほほ~んと旅していられる自分の環境に感謝しなくちゃいかんのだな・・・と、「よっしゃ、目一杯楽しんでやるぅ!」と張り切る私。
 残念ながら、今の時期はお城の中には入れない時期なので、敷地内をぐるぐる回って終わり。

 この後は、オスロ観光のメイン、私が一番見たかったものを見に、ビグドイ地区へ渡るべく、市庁舎前の港に向かわなくては。
 そして、港へ向かう途中で、今年もまた動物ネタが待ち構えていようとは、その時の私には知るよしもなかったのであった。

by gogofinland | 2005-01-26 12:51 | 2003 Norway